誰も歌ってはおらぬ‥

Pavarotti 
↑レオーネ・マジエラLeone Magiera の新刊書で、イタリアの音楽出版社 RICORDI から発売中の
Pavarotti, Visto da Vicino(近くから見たパヴァロッティ)。
これは、今月初めインターネットのニュースで流れた、2006年2月のイタリア・トリノオリンピックの開会式で、
世界的なテノール歌手、パヴァロッティが歌ったオペラ「トゥーランドット」からのアリア“誰も寝てはならぬ”は、
実は口パクだった、という話題の発端となった本です。
インターネットのニュースでは、当時パヴァロッティは非常に体調が悪かった為に、あらかじめオーケストラパートと
歌が録音されていて、本番ではこれに合わせてパヴァロッティが口パクしたという事実のみを簡単に伝えていましたが、
この本では、開会式で口パクせざるを得なかったいきさつや、健康状態についてが、かなり詳しく述べられています。
事実上の暴露本といっても過言ではないでしょう。
レオーネ・マジエラという人は、オペラ関係者はもちろん、熱心なオペラファンにもよく知られている音楽家ですが、
念のために簡単に彼がどんな人か説明しますと、彼はパヴァロッティと同じ、北イタリアのモデナに生まれた、
ピアニスト、声楽教師、指揮者で、同じくモデナ生まれの世界的なオペラ歌手ミレッラ・フレーニの
最初の夫としても有名。
歌手達への優れた声楽上のアドバイスや、リサイタルでのピアノ伴奏で、一流歌手から信頼を得ていましたが、
同郷出身ということでパヴァロッティらとは、公私共々に結びつきが強かったのです。
パヴァロッティのキャリアの最後を飾った世界ツアー「さよなら公演」ではオーケストラの指揮を担当。事実上、
彼のマネージャーとして仕切っていたようです。
このような長きにわたって、オペラ界を共に歩んできた同僚からの暴露的な内容も含まれた本になってしまったことは、
いささか残念な気がしますが、パヴァロッティのごく近くにいた音楽家が書いたパヴァロッティ像と言う事で、
大変興味深い内容になっています。

さて、過去の偉大なテノール歌手をふり返るのもいいですが、次に今日のオペラ界の若きスターテナー、
ファン・ディエゴ・フローレスJuan Diego FlórezのCDの紹介をしましょうか。
日頃、オペラにあまり馴染みの無い方にもぜひ聴いてほしいCDです。きっと気に入ってもらえると思いますよ~。
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人知れぬ涙~ベル・カント・アリア集
フローレスはペルーのリマ出身のリリック・テナー(レッジェーロ)です。
アルバムの最後に、ドニゼッティのオペラ「連隊の娘」からAh! mes amis (La fille du régiment)
歌っています。かつてパヴァロッティが歌って有名になったアリアですが、
フローレスも、9つものハイCをブリリアントに歌いきっていて凄いです!
なお、彼は現在ニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスで上演中のオペラ「連隊の娘」トニオ役で出演中。
共演はNatalie Dessay ほか。詳しくはこちら

Juan Diego Flórez/Ah! mes amis (La fille du régiment)

 ↑こちらは2005年、プエルトリコでのコンサートのビデオです。上のビデオが見れない場合はこちらから。

By 管野滋樹 →プロフィール
   Shigeki Kanno/Opera Singer

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