マイスキーとの出会い

昨日の僕のブログでは、シエナのマスタークラスを紹介しましたが、僕はこのイタリアの古都で毎夏開催されるマスタークラスに、はるか15年以上も前、あわせて3シーズンにわたって受講しました。
毎回優れたオペラ歌手による指導を受け、美しい中世のサラチーニ宮殿でのコンサートや劇場でのコンサート出演に抜擢され、トスカーナ地方の小都市を歌って回りました。シエナでの一夏が終わると、声楽家としてまたひとまわり大きく成長した手ごたえを感じ、シエナを後にしたものでした。
当時のシエナのマスタークラスはイタリア一といわれたほど大変素晴らしく、世界的超一流の演奏家を講師に招き、本当に身近に彼らの音楽に接することができたので、僕達若い音楽家にとって最高の音楽環境でした。
ここで出会った演奏家は歌手のほかにも、ポリーニ、バシュメット、サヴァーリッシュ、ベロフ. . .と書ききれません。
特に印象的な出会いは、巨匠ミーシャ・マイスキーとの出会い。僕はある日アカデミーの校長から、「今日の午後マエストロ・マイスキーがシエナ駅に到着するので、出迎えに行って欲しい」との要請を受けました(その年のチェロのクラスでは、マイスキーが講師で迎えられていたが、イタリア人気質、のんきな事に、当日事務局の人たちがみんな他の用件で出払ってしまったらしい‥)。
皆さんもご存知のように、だいたいヨーロッパの駅は町外れにあるのですが、シエナの駅はローカル線にあって、オリーヴ畑の丘の下、ほんと何も無い物寂しい所にポツンとあります。
灼熱の午後、強烈な西陽の中、小一時間ほど待っていると、定刻より20分ほど遅れて三両編成のローカル列車が到着しました。いささかマイスキー登場のイメージには不釣り合いだなー、と思っていたら、向こうから例の風貌、チェロを引っさげてヒョコリと、ほんとに彼は一人でやって来た!
 
"Salve! 待たせたね!"
 
こうしてアカデーミーまでご案内する車中、カナダでの彼の演奏会のお話を伺いながらすぐにうちとける事ができました。
これが縁でこの夏、彼のマスタークラスで、言葉がよく理解できない日本の生徒がいると、突然 "Shigekiを呼んでくれ!" 通訳に呼ばれたり、またオペラのコースにフラーっと見学に来てくれたりたり‥。素晴らしい思い出のひとコマです。
 
彼はこの夏のシエナの音楽祭で、バッハの無伴奏チェロ組曲を披露、聴衆に深い感動を与えました。
 
マイスキー/雨の歌~ブラームス名曲集
 
 
          人気ブログランキングへ
 
 
 
Advertisements

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s